経営情報学部では教員、研究者が相互に研究内容を理解し合い、学際領域の研究高度化を目指すべく「研究サロン」を定期開催しています。5月30日には、浜田正幸教授から「幸せな仕事人生 キャリア幸福度尺度の開発-その信頼性と妥当性の検討-」のテーマで研究動向についてお話をうかがいました。当日は教職員8名が参加しました。
浜田教授は大学・大学院で心理学を専攻され、特に臨床心理学の研究に従事されました。ご卒業後、株式会社本田技術研究所で自動車レースの最高峰F1プロジェクトに参画された後、株式会社野村総合研究所にて人事・組織系の経営コンサルタントを経験されたとのことです。日本全体が成果主義に移行しつつあった1990~2000年代から「日本の『働く』をおもしろくする」というやわらかい言葉によるキャリア理念を掲げていらっしゃいましたが、この理念を達成する上で「幸福なキャリアとは?幸せな仕事人生とは?」何かを解明する必要があったとのことです。
人生満足度尺度:SWLS(Satisfaction with Life Scale)、キャリア満足度尺度:CSS(Career Satisfaction Scale )など、すでに類似の尺度として提唱されているものもありますが、測定しているものが到達ポイントであったり、ピーク値であったり、キャリアゴールであったりするため、期間を線や面としてとらえてそのキャリア全体がどれほど幸福であったかを評価できる尺度の開発が必要と考え、新たに「キャリア幸福度尺度」という17問からなる設問を考案し、57名からの回答を統計的処理によりその信頼性を確認したとのことです。また、現在までに1,500件のデータを取得済みで詳細な構造の解明を鋭意行っているとのことでした。
質疑では「キャリアの概念をどのようにして年齢や世代間で共通化していますか?」、「『おもしろくする』という発想はどのように出てきたのですか?」、「日本と西洋でキャリア観が異なっていると思われるが、どう考えますか?」等の質問があり、活発な議論、意見交換が行われました。
浜田正幸教授は経営情報学部で「キャリア・デザインⅠ・Ⅱ・Ⅲ」、「消費心理」等の授業を担当されています。
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