経営情報学部では教員、研究者が相互の研究内容を理解し合い、学際領域の研究の高度化を目指すべく「研究サロン」を研究活性化委員会が主催し、定期的に開催しています。6月24日(金)に開催された「研究サロン」では、4月からご就任された菅沼睦准教授から研究動向についてお話をうかがいました。当日は対面、オンラインのハイブリッドでの開催となり教職員17名が参加しました。
菅沼准教授は博士(心理学)の学位をお持ちですが、多方面に興味分野を広げられており、当日はここ最近の仕事を中心に「生体情報と機械学習によるユーザー状態推定の取組み」のテーマでお話しいただきました。
具体的には、視聴覚コンテンツを体験させ、それに伴う脳波、心拍、眼球運動、瞳孔径等の生体情報がどのように変化するかを検出し、この情報を機械学習により分類することで、ユーザーの感情を予測することを目指す研究とのことです。
生体情報の取得は特殊な専用機器を駆使して行う他、観察可能な情報として表情や姿勢なども含まれ、また感情についてはラッセルの円環モデルと呼ばれる感情を表す手法を使うとのことです。次に、大量のデータから機械学習によって何らかのパターンを見出すことで予測が可能となり、ユーザーがコンテンツに対して抱いた感情を推定できるようになるとのことです。これまでにコンテンツとして、音楽、各種動画コンテンツ、SNS投稿などを用いて感情分類、推定を行ってきたそうです。
この研究を通じて、言語に依存しない人の内的状態の記述を目指しており、例えば人の感情を「怖い」という言葉で表す代わりに,生体指標のパターン用いてこれを表すことができるようにしたいとのことです。討論者の良峯徳和教授からは、この研究により、これまではアンケートでしか採れなかった人の感情のデータがより正確なデータとして入手できるはずであり、客観的情報としてアピールポイントになるのではないかとコメントがありました。
菅沼准教授は経営情報学部で「ビジネス数学基礎」、「先端情報技術概論」、「経営情報論Ⅰ・Ⅱ」等の授業を担当されています。
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