6月1日、「事業構想論」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:309名)の授業にゲスト講師として株式会社スイベルアンドノット(東京都武蔵野市)代表取締役 見木久夫様をお招きし、「地域からの事業構想~広告からビールまで~」をテーマにご講演いただきました。
見木様は写真家を目指し美大をご卒業されましたが、デジタルカメラの急速な普及に伴う革命的とも言える写真業界の構造変化を予見し、サラリーマンに進路を変更したとのことです。大手採用事業会社、大手メーカーハウスエージェンシーで広告宣伝の仕事を経験し、30歳の時に広告とイベント企画制作事業を中心に起業に踏み切ったとのことでした。
起業当初は社長がやるべき仕事を誰に教えてもらった訳でも無く、試行錯誤しながら形にしてきたそうです。楽しい居場所を作りたいという思いで起業を指向しましたが、現実には同業者との競合、自らの強みが不明瞭、適正価格の認識の開きなど課題も多かったとのことです。そこで頼るべき拠り所として「経営理念・経営計画などのルール作り」、「取り組む案件の精査」、「地域との関りの見直し」を図ったとのことです。また、クライアントワークの限界性を感じるようになると自ら何か創れないかとの発想が生まれ、JR武蔵境高架下の3坪の土地に26Kブルワリーというビール醸造所を作り、クラフトビールへ参入したとのことでした。ビール醸造は免許が必要なため、大手企業の参入障壁が高いという特性があり、個性を活かした商品開発ができるメリットを生かせると考えたそうです。現在ではビールの材料であるホップを地域の農家で栽培したり、製造時に発生する麦芽のかすを牛の餌にしたり、地域の方々にビールづくりに参加してもらったりと「地域とともに造るブルワリー」を実現しているとのことです。
最後に、「弊社ができること」として「Public Relations:公衆とのより良い関係づくりの具現化」、「Collaboration:地域プレイヤーとの協業」、「Craft beer & Hops:ビール・ホップを通じたコミュニケーション創造」の3点を挙げられ、「自分のやりたい事をやっていったら葛藤の中で会社は生まれ育っていった。成功か失敗かは分からないので、とりあえず動くことが大切」との言葉で締めくくられました。
学生との質疑応答では、学生たちから「社員との方向性の共有とは具体的にどのようなものでしょうか?」、「もの作りへの模索でなぜビールを選んだのですか?」、「どうやったらメンタルが強くなりますか?」などの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
株式会社スイベルアンドノット : http://swivel.co.jp/
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