経営情報学部では教員、研究者が相互の研究内容を理解し合い、学際領域の研究の高度化を目指すべく「研究サロン」を研究活性化委員会が主催し、定期的に開催しています。7月20日(水)に開催された「研究サロン」では、4月からご就任された新西誠人専任講師から研究動向についてお話をうかがいました。当日は対面、オンラインのハイブリッドでの開催となり教職員14名が参加しました。
新西専任講師は(株)リコー所属時に研究に携わった「わいわいメータ―」についてご発表されました。開発のきっかけは、新しいアイデアを出す際に行われるブレインストーミングの成否が「場の活性度」の大きさと相関があるのではないかという仮説から、ブレインストーミングの採点マシーンを目指したとのことです。
このシステムは、カメラで収集した会議参加者の動きとマイクから得た音声情報の分析結果、及び会議後に参加者がアンケートに答える自己採点とを合わせ、議論の活性度を数値化するもので、それぞれの得点化のアルゴリズムやアンケートについてご紹介いただきました。実証実験として「高校生カフェメニューコンテストin陸前高田」を企画。高校生たちが議論を通じてメニューを開発していく過程を題材として、システムの開発を進めたとのことです。また「会議にあったらいいね!君」という会議活性化ツールを使った場合の会議の活性化効果についても測定し、一定の効果を確認したとのことです。さらに、場の活性度や賑わいを参加者に伝える手法として、音声からコミュニケーション活性度と雰囲気を推定し、3Dオブジェクトにより参加者にフィードバックする手法を検討したとのことです。
参加者からは、日本人以外のメンバーによる会議での結果はどうなるか、身振りと音声の逆相関の理由はなぜか、発話者の分離は可能か、表情からの感情推定はできるか、発話内容が本質か否かの判別を考慮する必要性、など活発な議論が行われました。
最後に、討論者の出原至道教授からは、「面白いアイデアを実装まで落としており完成度が高い。次はこんなことができるのではないかと夢が広がる。今後の共同研究テーマとしても面白くなりそうだ。」とコメントがありました。
新西専任講師は経営情報学部で「デザイン思考」、「経営科学」、「経営情報論Ⅰ」等の授業を担当されています。
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