経営情報学部では教員、研究者が相互の研究内容を理解し合い、学際領域の研究の高度化を目指すべく「研究サロン」を研究活性化委員会が主催し、定期的に開催しています。多摩祭に合わせて11月13日に開催された「研究サロン」では、浜田正幸教授から研究動向についてお話をうかがいました。当日は教職員および一般の方13名が参加しました。
浜田教授は大学・大学院で心理学を専攻され、特に臨床心理学の研究に従事されました。ご卒業後、株式会社本田技術研究所に入社され、自動車レースの最高峰F1プロジェクトに参画された後、株式会社野村総合研究所にて人事・組織系の経営コンサルタントを経験されたとのことです。1990年代から2000年代は日本全体が成果主義に移行しつつあった時代ですが、当時から「日本の『働く』をおもしろくする」というやわらかい言葉を用いたキャリア理念を掲げていらっしゃいました。その後独立し、6社の起業に携わったとのことです。
本学の浜田ゼミでは、模擬的な会社を立ち上げ、人と組織の研究を行っています。会社組織形態を取り経営理念を掲げ、学生が自分たちで運営するする自主活動ゼミとのことです。時代背景も相まって、OD(Organization Development)が必要とされており、このような取り組みを行われているとのことです。
次に、起業家精神の変容についてご説明いただきました。起業家精神を「不」の解消により良い社会を創ることと定義され、松下幸之助、稲盛和夫、マークザッカーバーグ、スティーブジョブズ等を例に挙げ、従来の起業家は社会や個人の「不」の解消が起業の動機であったとされました。これに対し、新しい時代の起業家精神とは、人生100年時代、AI・DX、ポストコロナ等の時代背景を反映し、「自己表現」が大きな動機となるとされました。具体的には自分の興味・関心、自分の強み・得意とすること、自分の思いや意見、自分のキャリア・人生、自分のWell-beingなど自らが持つスキルや経験を活用して社会と繋がることこそが「自己表現」であり、これからの時代に求められる起業家精神であるとされました。
最後に、2012年から施行された継続雇用制度に言及され、「起業」という言葉に囚われずに、個人ベースのビジネスを創ることと理解し、定年退職後であろうとも多様な人間関係を蓄積し続け、弱い繋がり(Weak Ties)を増やしていくことと考えればよいのではないかとの言葉で締めくくられました。
浜田教授は経営情報学部で「キャリアデザインⅠ・Ⅱ・Ⅲ」、「消費心理」等の授業を担当されています。
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