多摩大学の「事業構想論*1」(担当教員:松本祐一教授)では、多摩地域で独自のビジネスモデルを展開する企業を招き、その事業構想について学ぶ講義を行っています。
2026年7月9日(木)は、多摩信用金庫主催「多摩ブルー・グリーン賞」の経営部門で優秀賞を受賞した、株式会社Kitahara Medical Strategies International(以下:KMSI)代表取締役であり、医療ソーシャルワーカーの石橋千賀氏をお迎えしご講演いただきました。
医療を超えて、暮らしを支える
北原グループは、30年以上にわたり多摩地域の救急医療から予防医療、リハビリテーションに至るまでを包括的に担い、地域医療を支える重要な役割を果たしています。
石橋氏が代表を務めるKMSIは、国の定める診療報酬制度のもとでは実現の難しい医療分野における新たな取り組みを推進するために、医療法人の枠を超えた事業会社として設立。「医療を総合生活産業として再設計する」というビジョンのもと、多様な事業を展開しています。
石橋氏は、医療現場において患者本人の希望や意思が十分に尊重されない現実に直面したことをきっかけに、医療ソーシャルワーカーへの道を志しました。しかし、多くの患者や家族と向き合ううちに、病院での治療だけでは解決できない課題の存在を実感したといいます。そうした問題意識を抱えながら働くなか、新規プロジェクトの立ち上げへの参画を打診されたことを機に、事業開発へと活動の場を移したと語りました。
東日本大震災が生んだ新事業
石橋氏が事業開発責任者に就任した直後の2011年3月、東日本大震災が発生。被災地で支援活動に携わるなかで、本当に必要なのは一時的な支援ではなく、ゼロからまちをつくる過程に関わることであると考え、東松島市での活動を開始します。
小さなクリニックの設立から始まった構想は、5年の歳月を経てレストラン、カフェ、スパ、ホテル、多目的ルーム、ガーデン、クリニック、介護施設まで備えた複合施設「いろどりの丘」へと成長しました。世代や立場を超えて人々が集う“ボーダレスな空間”は、地域住民が自然につながりを育むコミュニティとなり、人々の健康と豊かな暮らしを支える場となっていることを紹介しました。
また、北原グループは、日本医療の海外展開やトータルライフサポート事業、医療DXの推進など、さまざまな取り組みを進めています。
なかでもカンボジアで展開する日本式総合病院は、現地初の救急機能を備えた総合病院であると同時に、現地人材の育成も進めながら地域に根差した医療サービスを提供しています。こうした活動は従来の医療提供の枠を超え、人々の暮らし全体を支える仕組みづくりへと広がっていると説明しました。
医療を単なる「病気を治すサービス」ではなく、「人がよりよく生きるための仕組み」と捉え、総合生活産業への転換を目指す石橋氏。事業構想や人生を切り拓くうえで大切なのは、自らの思いと原体験、そして人との出会いであると語り、いつ訪れるかわからない“その時”を大切にしてほしいとメッセージを送りました。
株式会社Kitahara Medical Strategies Internationalの公式サイトはこちら
関連ニュース
-
民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
-
政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
-
大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
-
地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます








