経営情報学部では2023年度秋学期、「一般社団法人日本ショッピングセンター協会」のご協力のもと寄付講座として「ショッピングセンター(以下SC)論」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:109名)を開講しています。1月19日の講義ではゲスト講師として京王電鉄株式会社(以下京王電鉄)開発事業本部SC営業部の角田匡平様にご登壇いただき、「未来のSCにおける地域連携(SCを起点にコトと人、そして状況をつくる)」をテーマにご講演いただきました。角田様はキラリナ京王吉祥寺事務所副支配人、フレンテ笹塚事務所所長、京王クラウン街笹塚商店会会長、ミカン下北運営責任者(実験区長)として同社SC営業部直営12物件中3物件の企画・運営に携わっていらっしゃいます。
最初に、SCが地域連携に向けて担う役割としてまちづくりへの協力と貢献を挙げ、コミュニティ施設として活動(activity)と行為(action)の両面でまちづくりの拠点となることが不可欠とされました。
続いて、「ミカン下北」を事例に未来のSCと地域連携のあり方をご紹介いただきました。人口減少、テレワーク加速、沿線の開発余地減少、EC伸張と競争激化に加え乗降客数が縮小する時代の私鉄沿線事業は発想転換が必須で、プレイヤーとユーザーが集まる生態系をつくり街を魅力化することと同時に収益につなげることが求められるとされました。その仕組みや仲間を今後の沿線開発の原動力とすべく、下北沢エリアで実験的な試みを推し進めているとのことです。多様な先駆者たちが新しいチャレンジができ、それを見に街に来る人が増える連鎖を目指し実験区として「ミカン下北」を構築。プレイヤーが集まる拠点として「SYCL by KEIO」の設置。そして情報発信するオウンドメディア「東京都実験区下北沢」を立ち上げたとのことです。さらに様々なプレイヤーが持つアイデアを実現する仕組みとして「下北妄想会議」、アイデア実現を後押しする実験応援プログラム「studio YET」、事業化を目指す共創プログラム「ROOOT」をスタートしたとのことです。これらの取り組みで地域価値を向上し、沿線価値に繋げることで、京王電鉄としても収益を確保でき、継続性が担保されるとされました。加えてこの街で何か行動するときはまずは京王をまきこんでおかないとというポジションを確立することで、アイデア、人、情報が結果的に集まりビジネスチャンスが広がっていくことを目指しているとされました。
最後に、正解の無い不確実な時代には企画書を作って関係者の合意を取ってと従来の手順を踏んで進めるのではなく、失敗を容認しまずは実験、そして実践につなげていくという発想の大転換が必要とされ、講演を締めくくられました。
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