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「情報セキュリティ」の授業に早稲田大学名誉教授 坂井滋和様がご登壇

2024年2月3日

1月23日、「情報セキュリティ」(担当教員:内藤旭惠准教授、履修人数134名)の授業にゲスト講師として早稲田大学名誉教授の坂井滋和様をお招きし、「先端情報技術とセキュリティ」のテーマでご講演いただきました。坂井様は日本初の商用CGアニメーション制作システムの開発に携わられた後、独立してフリーランスのCGクリエーターとしてNHK科学番組に多くのCG映像を提供されました。1994年から九州芸術工科大学で、2001年からは早稲田大学で教鞭を執られ、2023年からはフリーに戻って新たなプロジェクトにチャレンジ中とのことです。

最初にブロックチェーン技術についてご説明いただきました。情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続し取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、仮想通貨に用いられる基盤技術とのことです。データ改ざんを防ぐことに加え、P2Pネットワークを使用するためシステムがダウンしにくい、高スペックサーバーが不要なためランニングコストが抑えられる等の特徴があるとのことです。

続いてブロックチェーン技術の応用として、仮想通貨についてご紹介いただきました。お金は決済のための価値交換媒体で、その本質は価値を示す「情報」であり、これをデジタル化したものが「デジタル通貨」であるとされました。何よりもネット上でやり取りができる利便性が普及を加速しているとのことです。しかし代表的なデジタル通貨であったビットコイン等は投機の対象となり、通貨としてよりも「暗号資産」と言われることが一般的となったそうです。問題点として、デジタルデータの永久的保存、改ざんの危険性、一般人の認知度の低さ等がありますが、環境保全やお金の流れの明瞭化、インボイス制度の施行等などが追い風となり、最終的にはデジタル通貨が主流になり今年はその元年と言えるのではないかとのことです。

さらにブロックチェーン技術のもう一つの応用例であるNFT(Non Fungible Token)についてご説明いただきました。NFTは芸術作品のような本物だけが持つ価値をデジタル化する試みであり、あたかも土地や建物の権利証、芸術作品の鑑定証、宝石の鑑定証のような特定のものを証明する手段とされました。簡単にコピーできるデジタルデータにおいて、NFT技術により本物を明らかにし所有者を明らかにすることができ、今後様々な新たなビジネスに繋がっていく可能性が期待されるとされました。

最後に、「ブロックチェーン技術は少しずつ知らないうちに私たちの生活に入り込んできています。その恩恵を得るとともに、これまでに無かった問題も生じており、新しい技術の知識を持つ人と持たない人で差が出てきます。まさに経営情報学を学んでいる皆さんにとっての課題の一つとなり得るのではないでしょうか」とされ、ご講演を締めくくられました。

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ゲストを紹介する内藤旭惠准教授

坂井滋和様 ご講演

坂井滋和様 ご講演

聴講する学生たち

学生から質問

質問に答える坂井滋和様

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