経営情報学部では2023年度秋学期のアクティブ・ラーニングプログラムとして「AL実践 自動運転と社会」(担当教員:樋笠尭士専任講師)を開講しています。10月31日の講義ではゲスト講師として東京大学 モビリティ・イノベーション連携研究機構 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター 特任研究員の梅田学様をお迎えし「海外の自動運転の取り組み」のテーマでご講演いただきました。梅田様は日産自動車株式会社勤務を経て2019年に東京大学生産技術研究所へ移籍され、SIP第2期自動運転(SIP-adus)において3年に渡り国際連携コーディネータを務められました。
最初に日本の自動運転の状況としてSIP第2期自動運転の概要をご説明いただきました。東京臨海部実証実験では29の企業・大学が参加し、100台の車両を使用して実証実験が行われたとのことです。また国際連携を活動の柱の一つとして掲げ、日独連携、日EU連携を行ったとのことでした。
次に欧州の自動運転の取り組みについてご説明いただきました。欧州の自動運転ロードマップであるSRIAでは3つのフェーズに分けて実装化を加速しており、2030年に欧州全域で30ヶ所の大規模実証を展開する目標になっているとのことです。また研究開発の枠組みであるHorizon Europeでは7年間で総額14兆8千億円にものぼる巨額予算が計上されているとのことです。この他、欧州SHOWプロジェクト、欧州ULTIMOプロジェクト、UKの自動運転の取り組み、ドイツHamburg市の取り組みについてもご紹介いただきました。
続いて、米国の自動運転の取り組みについてご説明いただきました。企業を中心に様々な地域で実証実験が行われていますが、カリフォルニア州、アリゾナ州、ミシガン州、フロリダ州が特に盛んだそうです。取り組みの例としてニュージャージー州トレントン市のTrenton MOVES Project、フロリダ州ジャクソンビル市のU2Cプロジェクト等をご紹介いただきました。また、Cruise社、Waymo社のRobo-Taxiについてご説明いただいた後、運行許可取り消しなどの問題に触れ、イレギュラーな状況判断をどうするかが課題であるとされました。
最後に、「自動運転のレベル4は実用化段階にあるが、自動運転は手段であって目的ではない。自動運転で何を達成したいのかが重要であり、自動運転技術を社会がどう受け入れていくかがポイントになる」とされ講演を締めくくられました。
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