経営情報学部では2023年度秋学期、「一般社団法人日本ショッピングセンター協会」のご協力のもと寄付講座として「ショッピングセンター(以下SC)論」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:109名)を開講しています。12月22日の講義ではゲスト講師としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(東京都渋谷区)CDIO本部OMO部 部長、海外本部海外商品部 部長の澤邊亮様にご登壇いただき、「Eコマースとリアル店舗の連携を踏まえてSCが行うべき策とは?」をテーマにご講演いただきました。澤邊様は20年間に渡り東急グループ会社に所属しSHIBUYA109の総支配人としてもご活躍され、2021年より現職にて実店舗を活かした新たなOMO戦略に取り組んでいらっしゃいます。
最初に、SC、ECの現状について概観されました。SC数は2018年がピークで4年連続で減少傾向で売上も下降している半面、EC市場は毎年伸長し続けているとのことです。そしてECは物販だけでなくサービス系の伸長も大きいことが注目に値するとされました。ECに関するマーケティング手法としてOMO(Online Merges with Offline)、O2O(Online to Offline)、オムニチャネル(Omni-channel)をご紹介いただき、具体例として、ユニクロ、ビームス、無印良品、アダストリアなどの戦略を解説いただきました。このように小売企業はOMO戦略を推し進めており、その結果としてEC化率が年々伸長しているとされました。
続いて、小売企業が店舗の新しい機能を追求した例として、「THE[ ]STORE」、「蔦屋家電+」、「b8ta」、「Meetz STORE」などをご紹介いただきました。これらはリアル店舗出店のための課題解決や新商品に対するテストマーケティング、店舗になじみのない世代の接点獲得など、これまでの売る店舗とは一線を画すビジネスモデルとなっているとのことです。このように小売企業がOMO戦略を進める中でのSCのデジタル活用事例として、三井不動産の「&mall」、ルミネの「iLUMINE」、パルコの「ONLINE PARCO]、MOZOワンダーシティの「mozoPLUS」等々をご紹介いただきました。
最後に、ますますEC化率の上昇が予想される中でSCの採るべき対応についてご説明いただきました。SCはテナントから選ばれる施設でなくてはならないとされ、そのための施策として、店頭集客やテナントのECへの集客、テナントOMO戦略への寄与とそのためのデジタルの活用、リアルコンテンツの魅力向上や実店舗ならではの体験価値の向上、EC事業者との共存、そしてSCならではのデータの活用をあげられました。さらに攻めのデジタル活用に加え、バックエンドや基幹システムなど守りのデジタル活用も見逃せず、加えてSCの収益構造自体も変えてく必要があるのではないかとし、講演を締めくくられました。
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