鎌倉市および鎌倉市観光協会と多摩大学の三者包括協定に基づき、9月25日に鎌倉芸術館にて第8回ホスピタリティ観光セミナーを開催しました。今回は寺島実郎学長が会長を務める一般財団法人 日本総合研究所 理事長の松岡斉様を講師にお迎えし、「ジェロントロジーと美麗学」をテーマにご講演いただき、少子高齢化社会の時代に100年人生にフォーカスし、一人ひとりが地域や社会が抱える課題にチャレンジすることで、持続可能な地域づくりに貢献する取り組みが紹介されました。
最初に高齢化社会に対する認識について、これまで高齢者は「社会的コスト負担(医療、介護、年金等)」の視点から捉えられることが多く、ジェロントロジーは老年学と考えられていたと説明がありました。そこからパラダイム転換が必要とされ、これからは高齢者を「社会を支える側に参画する主体」と捉え、そのためのプラットフォームづくりや新たな社会システムを構築すべきであり、ジェロントロジーは「高齢化社会工学」、「知の再武装」として理解されるようになりました。そして全世代が心身共に健康で、より活力や幸福を感じられる社会システムの構築を目指すことが重要になるとされました。
次に2018年6月から2020年9月までの(一財)日本総合研究所の様々な取り組みが紹介され、研究の段階から実行の段階についての説明がありました。
最後に100歳人生をどのように美しく齢を重ね、生き抜くかについて鎌倉市を例に挙げながら説明されました。2020年の人口172,710人は、2040年には148,992人まで減少する見通しで、20年間で約24,000人減少しますが、高齢者数(2020年の老年人口、65歳以上)は53,517人で、高齢化率は31%です。しかし、2040年には高齢化率は約39.5%にまで上がり、全国平均より高い率となります。鎌倉市の課題について、オーバーツーリズムはよく話題に上がりますが、高齢化の加速によって住民交流、担い手不足によるまちづくりや地域コミュニティの機能低下が想定されます。それを好転させるために、多能工人材(シニア層)と若い人材の交流・連携による高付加価値型の産業(観光・農業)を通じた持続可能な地域力(まちづくり)の創造がポイントで、鎌倉の魅力(歴史、文化、食・農のバランス)と健康寿命により好循環させることが重要ではないかとの見解が示されました。
後援:鎌倉市、鎌倉市観光協会、鎌倉商工会議所
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