5月11日、「事業構想論」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:309名)の授業にゲスト講師として株式会社Alembic(石川県金沢市)代表取締役の中川俊彦様をお招きし、「金沢から世界へ~地方からの事業構想」をテーマにご講演いただきました。当日はオンラインでのご登壇となりました。
中川様は中学校時代からの松本教授との同級生とのことで、大学卒業後は商社のアパレル部門やエンタテインメント関係の仕事を経て、40歳台になってからお父様の影響もあり食の世界に踏み出し起業したとのことです。当初はクラフトビールを中心に構想していたそうですが、食と農の会社を起業されたご友人の誘いもあり、文化的に成熟し食文化のクオリティーが高い金沢に移られたとのことです。金沢は昔から味噌や醤油などの発酵食品の製造が盛んで、北前船の寄港地として栄えたという歴史的背景があり、白山からのミネラルを含んだ水にも恵まれ、中小企業が集積しているという特徴があるそうです。
中川様が扱っておられるジンはスパイスやハーブの組み合わせ次第で、何百通りといったバリエーションを生み出すことができ、日本特有のハーブを加えることで、和食にも合うフレーバーを生み出すこともできるとのことです。クラフトジン蒸留所として国税庁から製造免許が下りてから半年強で同社の商品「Alembic Dry Gin HACHIBAN」が、世界的な酒類品評会「インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)2023」および「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション (SFWSC)2023」において最高金賞を受賞したとのことです。ここに至るまでには、製造設備の手配や酒類製造免許の取得、コロナ禍など多くの乗り越えなければいけないハードルがあったそうですが、金沢に誘ってくれたご友人、母校の大学の同窓会県支部の方々や、地元旦那衆のネットワーク等に支えられてここまでやってきたとのことでした。
次のステップとしては、ラム酒の製造、リキュール製造免許の取得、ノンアルコールスピリッツの開発、ジンの香り付けに必須なハーブであるジュニパーベリーの国産化、地元木材の活用、湊エリアの開発、お酒を通じて子どもを支えるスキーム構築などを考えているとのことで、その土地の文化や空気を活かして、新しいビジネスを生み出していきたいと抱負を語られました。
学生との質疑応答では、「世界一を受賞できた理由は何でしょうか?」、「自分の好きな事を仕事にするのは逆にネガティブにならないでしょうか?」、「世界一になった次の展開をどう考えていますか?」、「地域の方々と付き合う時に意識していることはありますか?」など多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
株式会社Alembic : https://alembic.jp/
関連ニュース
-
民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
-
政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
-
大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
-
地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます