7月7日(木)、「経営情報論Ⅰ」(担当教員:新西誠人専任講師、履修人数203名)の授業にゲスト講師としてヤマハ株式会社 (本社:静岡県浜松市)執行役員業務本部長の徳弘太郎様をお招きし、「デジタルトランスフォーメーション」のテーマでご講演いただきました。
最初に、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)の定義について、音楽を例にご説明いただきました。オリジナルは“アナログ”の「レコード」であり、その形式が変化し“デジタル”の「CD」になり、“デジタル化”により「デジタルオーディオプレーヤー」に進化することでアルバム単位での購入から楽曲単位での購入という行動の変化をもたらし、“デジタル変革”により「音楽をベースにしたモバイルアプリ」のように音楽に参加するという意味の変化をもたらすとのことです。
次に、ヤマハのDXを「歌唱」、「楽譜」、「楽器」、「音楽教育」、「製造」、「社内」でご説明いただきました。例えば「歌唱」では人間の声による歌唱から、音声合成・ボーカロイド、ハチのマトリョシカ等の作品を経て、MikuMikuDanceに代表される歌以外への波及へ、「楽譜」では紙面を読んでの演奏から、タブレット等での表示、演奏データとしての利用を経て、転調・伴奏など演奏支援へ、「音楽教育」では集合しての合唱からオンラインでの合唱、ボーカロイド教育版を経て、作曲し人に感動を与える行為へ。「製造」では職人の手による調整から機械化、AIによる調整を経て、その先どこまでできるかはこれからの課題とされました。ここで、DXまで到達するものと到達しないものがあり、どこまでの抽象化を許すか、前提が許すかによるとされました。最近までご担当されていた「社内」については、スタンドアロンのPCから、インターネット接続を経て、AI導入により業務が手続から内容へ変化しているとされました。また、DXを供給側の視点から見ると、レコードやCDはモノを売ることが目的であったが、デジタルオーディオプレーヤーではダウンロードという違った形で売ることに変化し、音楽をベースにしたモバイルアプリでは体験を売るというように、目的自体が変化しているとされました。
最後に、学生の皆さんに考えていただきたいこととして、何を変化させるか、どこからどこまで変化させるか、それによりどのように世界を変えるかを考え、そして何よりも何故それをやりたいのかを考えることが大切で、それは必ずしも経済合理性のためだけではないはずだという言葉で締めくくられました。
徳弘様ご自身もバイオリンを演奏され、腕前をご披露いただきました。学生からの質問もフルートやギター、ボーカロイド、音声合成などに関するもので、音楽好きな学生たちにとって、とても楽しいご講演となりました。
関連ニュース
-
民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
-
政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
-
大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
-
地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます