7月6日(水)、「アントレプレナーシップ論」(担当教員:趙佑鎭教授、履修人数:91名)の授業にゲスト講師として、日本BE研究所 所長の行徳哲男様をお招きし、ご登壇いただきました。
行徳様は幼少期からコンプレックスを持ち、その短所を改めるのではなくそれを跳ね返すエネルギーを点火剤として生きてこられたとのことで、各界のリーダー達、指導者達のメンターとしてその存在感を示されてきたことはよく知られています。今年で90歳を迎えられるとは思えない活力に満ちたご様子でご講演いただきました。
最初に、広隆寺の弥勒菩薩の美しさについて、それが人間の真実を映しているからこそ美しいとされ、真実とは絶望、躓き、煩悩などを隠すのではなくさらけ出すことであるとされました。また、デンマークのジーランド湖に飛来する鴨が1万キロメートルもの長距離を無休かつ飲まず食わずで飛び続けるのに対し、老人から餌を与えられることに安住し、自らの力で飛翔することを放棄してしまった鴨たちは、洪水の災いに巻き込まれるという「野生の鴨」の逸話をご紹介いただき、IBMの創業者トーマス・ワトソンが自社の社員に贈った「野鴨たれ」の言葉や、Appleの創業者スティーブ・ジョブズの「Stay hungry, Stay foolish」の言葉を引用され、常に前を向き困難に立ち向かう気概の重要性を説かれました。
続いて、鹿児島県知覧で若き特攻隊員が母に向けた書簡、原宿を開発し原宿文化とでもいうべき新風を創り出した松本瑠樹、1995年ウィンブルドンで世界を追い詰めた松岡修造などの逸話を通じ、「気の充実」や「トキメキ」こそが人間が最も大切にすべきものであるとされました。また、全ての生き物の中で人間のみが持つものとして、思考回路と時間の概念を挙げ、現代人は考え過ぎて物事の判断を遅らせているとし、「今」、「ここ」、「自分」しかない獣の勇気を持つべきだとされました。それこそが本当の自分を生きることであり、自分自身を好きになり、最高価値があると信ずることができるようになると説かれました。
最後に、アインシュタインが来日した際の詩人の土井晩翠との関わりの中での逸話をご紹介いただき、ここにいる学生のような若者たちこそが日本という国を誇りに思い、この国を引継ぎ、さらなる繁栄に導いていって欲しいとエールを贈られました。
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