10月25日、「ホームゼミ志」(担当教員:関秀雄客員教授、杉田文章教授、趙佑鎭教授、中澤弥教授、石川晴子教授、中村有一教授、増田浩通准教授、内藤旭惠准教授、千ヶ崎清孝准教授)の授業にゲスト講師として元読売新聞社編集局記者の松田茂広様をお招きし、「記者生活を振り返って/オールドメディアとSNS」をテーマにご講演いただきました。
松田様は読売新聞社の立川、八王子、長野、所沢、郡山などの支局に勤務。支局長も務められ、地方行政や司法(警察、裁判所)などをご担当されました。現在は引退され、大学の聴講生として国際関係について学ばれている学生の一面もお持ちです。
最初に、一般全国紙の発行部数が2010年の5,000万部から2022年には3,100万部と40%減少したことをあげ、インターネットやSNSの爆発的普及に伴う文字媒体の衰退を指摘されました。新聞をオールドメディアとするならば、オールドメディアは取材に資金をかけていたが、近年のネットメディアは自ら取材をすること無く他から引用しているものもあり、報道の姿勢に疑問を持たざるを得ない事例が多数見られるとされました。ただし特定の専門分野についてはオールドメディアでは対応できないほど利便性が高いものもあり、よく見極めて利用できるものは取り入れていくことが大切とされました。
続いて松田様が記者時代に経験した大きな事件として、3億円強奪事件についてお話いただきました。1968年12月、東芝府中工場の工員に支給するボーナスを載せた現金輸送車が府中刑務所裏で白バイ隊員に扮した何者かに停止させられ、そのまま乗り去られジュラルミンケースに入れられた現金3億円が持ち去られたもので、刑事、民事ともにすでに時効が成立しています。当時メディアは取材合戦を繰り広げたとのことですが、松田様は担当刑事の自宅を粘り強く夜討ち朝駆けで訪問し、真摯に耳を傾けたとのことです。真面目な気持ちで対面取材をするうちに信頼関係が構築され、捜査状況なども明かしてくれるようになったとのことでした。
さらに、読売新聞社の主筆である渡辺恒雄氏について、新聞の世界で歩んできた道筋や考え方などをご紹介いただき、政治をも動かす新聞記者としての偉大さについてお話いただきました。
最後に、松田様の大好きな楽曲として、ハリー・べラフォンテらが提唱し、アメリカのスーパースター45人が一堂に会してアフリカの飢餓救済を目指して作り上げた名曲「We Are The World」をご紹介いただき、講演を締めくくられました。
関連ニュース
-
民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
-
政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
-
大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
-
地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます