10月5日、「事業構想最新事情」(担当教員:長島剛教授)の授業にゲスト講師として経済産業省 関東経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 課長 幸物正晃様をお招きし、「関東経済産業局の取組について」をテーマにご講演いただきました。
幸物様は1997年に関東経済産業局に入局。経済産業省地域経済産業政策課、多摩信用金庫出向を経験され、次世代産業課、地域経済課、政策評価広報課、企画調査課等を経て2021年より現職にてイノベーション、新事業創出、スタートアップ、産業標準化および知的財産をご担当されています。
最初に、関東経済産業局の位置付けと組織について、日本国憲法、国の行政機関の組織図、経済産業省の組織図等を参照しご説明いただきました。続いて、日本経済の現状について、世界競争力の状況、日本経済低迷の要因、近年の地政学的な不安定性、加速する環境変化、Web3.0やサーキュラーエコノミーの台頭などの環境変化とともに解説いただき、それらに対する経済産業政策の新機軸、令和6年度の重点項目についてご説明いただきました。さらに最新の施策としてスタートアップを例に、経済成長のドライバー、雇用創出効果、社会課題解決等のそれぞれの側面から解説していただきました。一方で世界各国と比較するとさらなる支援強化が必要とされ、J-Startupとして選定した企業に様々な施策を重点投入すること、DTSU(ディープテック・スタートアップ)として革新的技術の研究開発の実用化を目指すスタートアップに支援を行っていること等をご紹介いただきました。加えてスタートアップの立地が東京都に集中していることから、地域のスタートアップを支援していく方策についてご説明いただき、最後に大学発ベンチャーと学生による起業への期待についてお話いただきました。
質疑応答では、「どのようなことに経済産業省でのやりがいを感じますか?」との質問に対し、「企画系の仕事は面白く自分に合っていると思います。世の中を良くしていこうという同じゴールに向け、違うアプローチで取り組む人達と仕事が出来るという意味では役所の仕事が好きです」とのお答えでした。また、「日本はこの先だいじょうぶでしょうか?どうやったら返り咲くことができるのでしょうか?」との質問に対しては、「人口が減って高齢化が進むのは事実です。とにかく生産性を向上させないといけないので、テクノロジーをいかに受け入れて前に踏み出していけるかがカギになると思います」と回答され、活発な議論が行われました。
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