7月14日、「文化人類学」(担当教員:井出晃憲、履修人数103名)の講義に招聘講師として元テレビ制作会社テレコムスタッフ プロデューサー西野 肇氏による講義が行われました。
講師は、プロデューサーとして「世界の車窓から」(テレビ朝日)「ファミリーヒストリー」(NHK総合)「課外授業ようこそ先輩」(NHK総合)など数々の番組制作を手掛けられ、放送業界でご活躍されました。民放テレビ局でのアルバイトがきっかけとなり旧体制下のソ連へ渡航し、モスクワ放送でDJとして番組制作を行ったことや百万本のバラの原曲(ラトビアの歌謡曲『Dāvāja Māriņa』(ダーヴァーヤ・マーリニャ)を原曲とするロシア歌謡曲)をJVC日本ビクターに紹介し、1983年に日本でリリースされたことなどを話されました。
文化人類学は、多様な社会と文化、思想をフィールドワークを行い、民族誌、資史料に基づいて整理し、人類史的な比較の視点から人間の本質を追求する学問といわれています。
フィールドワークは、研究対象となる現地に赴き、言葉を習得し、共に生活しながら、現地の生活を観察、現住者への聞き取り調査を行うことで、地域の文化や社会について具体的、実証的に検証するものと説明されています。
講義では、講師が制作された「遠くにありて にっぽん人」(2004,NHK BS)を使用して、「海外で奮闘する日本人がいかに生き抜いてきたか。人の生きざまとはどういうものか」をテーマとして取り上げた番組を疑似的なフィールドワーク空間として用いることで、文化人類学の手法や海外で活躍する日本人の生業について学生の理解を深めるものでした。
使用されたコンテンツは、「砂漠の羊を守れ~シリア・折田魏朗」でした。中東シリアで、40年にわたって家畜医療に取り組み、中東の畜産大国の礎を築いた日本人獣医にフォーカスして、今なお現役を貫く生き様を描き出すものでした。医療技術や知識のない地域で、砂漠の民の部落に直接赴いて羊を検診し、研究室では深夜まで顕微鏡をのぞいて研究を続けるとともに現地の獣医を育成し、困難な手術は自らメスを執り、熱心に指導するという姿が映像として紹介されました。 講師からは、日本では知られていない方であるが、日本人としての矜持を外国人に知らしめた。命を懸けて仕事に取り組む方であったと紹介され講義は終了しました。
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