5月25日、「事業構想論」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:309名)の授業にゲスト講師として株式会社Eukarya代表取締役社長 田村賢哉様をお招きし、「テクノロジーと事業構想」をテーマにご講演いただきました。
冒頭、「事業構想とはなんだろう?」と問いを投げかけられ、田村様はこれを『探究』と『表現』ではないかと考えているとされました。田村様は高校生時代に世界一の地理学者になろうという志を立てたそうですが、大学、大学院と進む中で「地理学とは何か」という根源的な命題に向き合い、環境学、芸術工学、情報学と研究領域を広げてきたとのことです。そして現代社会で求められているのは社会の全ての情報を保持すること、保存したいと思う世の中を構築することと考えるに至りEukaryaを起業したとのことです。
田村様は研究を進めるために起業が必要だと感じたそうですが、初期の課題としてエンジニアの採用と資金調達を挙げられました。採用については最も困難な地域から難民を雇うという決定をし、シリア、ウクライナ、コンゴからリモートで働くエンジニアを雇用したとのことです。また、資金調達については、株式の仕組みを再考し、お金に色を付けないレベニューベースのファイナンスという新しいアイデアで3億円を集めたと述べられましたが、その過程で多くの難しい決断を迫られたとも話されました。
同社が提供する次世代データベースマネジメントシステム「APLLO」はコンピュータ側が人に合わせてデータ構造を変えられることや、意味や解釈も構造的に格納できるという特徴があるそうです。また、3次元地理空間データの情報システム「Re:Earth」は、課題が都市にあるという視点から出発し、都市の問題をどのように解決に結びつけるかを深く探求し、結果として国家のインフラとして提供する方向に進めたと述べられました。
学生との質疑応答では、学生たちから「『探究』はどうやったらできるのでしょうか?」、「最初からお金の色(集め方)に拘ったのは何故でしょうか?」、「もし学生に戻れるとしたらやはり起業したいと思いますか?」などの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
株式会社Eukarya : https://eukarya.io/
関連ニュース
-
民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
-
政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
-
大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
-
地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます