12月22日、「地域ビジネス入門」(担当教員:梅澤佳子教授、履修人数:144名)の授業にゲスト講師として株式会社御用聞き 代表取締役社長の古市盛久様にご登壇いただきました。古市様は多摩大学経営情報学部をご卒業されたOBで、今年度春学期に開講された同科目でもご登壇いただいています。
最初に株式会社御用聞きの事業についてご説明いただきました。30歳の頃に困りごとを5分間100円で解決する福祉事業を立ち上げたのが始まりで、税金で運営される国の介護制度では対応できない部分をカバーするというコンセプトだそうです。本事業の社会性と独自性、社会課題解決のプレーヤーが少ないこと等からマスコミにも多数取り上げられ、多面的な説明を心掛けているとのことでした。
次に地域ビジネスとの関わりについてお話いただきました。幼少期から起業に憧れ、グレゴリークラーク学長の率いる多摩大学を志したとのことで、入学後は社会との接点となったマーケティングのゼミや良き恩師と出会い、宝物のような時間を過ごしたとのことです。ご卒業後一度は不動産会社に勤務したものの数字ありきの競争に見切りをつけ、自らの会社を立ち上げたそうです。莫大なお金を動かすマネーゲームに明け暮れるようになったが失ったものも多く、29歳の頃にはインターネットを使った事業で失敗しどん底を味わったそうです。迷惑をかけた顧客へのお詫び行脚の中で、高齢者の気配りなどに触れるうちに、体験を経験とすることの大切さと、些細な困りごとが世の中にはたくさんあることに気が付き、会話で世の中を豊かにするというコンセプトに行きつき、現在の株式会社御用聞きの立ち上げに至ったとのことでした。さらにサービスを提供するために必要なスキルと価格をセグメント別にみると、「たすかるサービス」と呼ぶ少し上の領域のニーズが高いことが分かり、拘りを捨て住民の声を聴くことの重要性を実感したとのことでした。
今後については、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題に向け、多世代の担い手の活躍が期待されるとのことで、50歳台~70歳台の担い手を軸に訪問型習い事など、皆が楽にできることを開拓していきたいとのことでした。そこで「外に出れない高齢者がワクワクするようなイベントを考えてみましょう」という課題が出され、学生からは「アミューズメント・カジノ」、「生徒実習販売」、「持ち寄り編み物」などの提案がありました。
最後に、「失敗や成功などの体験をなぜそうなったのか振り返り、自分なりに考えて欲しい。そして体験を経験として積み上げることで、見える世界が変わってくるはずです。良い社会経験を積んで、人生を自分らしく生きて欲しいです」と締めくくられました。
関連ニュース
-
民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
-
政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
-
大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
-
地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます