5月16日、株式会社Cloud9(以下「(株)Cloud9」)代表取締役 北村良平氏を講師に迎え、「多摩市におけるコミュニティパーク構想」と題して講義が行われました。
講師の北村氏は経営者であるとともに歯科医師であり、「医療法人社団KMR 石神井公園の歯科と矯正歯科」において、理事長としてご活躍されています。
講義では、新たな事業であるコミュニティパーク構想に至った経緯や想いについてお話を伺いました。講師は、歯科医師として東日本大震災後の現地に赴き、仮設住宅での医療相談会など様々な活動に参加するとともに復興支援ボランティアとしても活動されたそうです。その際、コミュニティや地域の力、つながりの重要性について実感し、歯科医療を通じて地域に新しい価値を作り、提供したい想いを強くされたそうです。歯科医療という専門職の観点から地域貢献のアプローチを始め、開業した歯科医院や近隣において、地域住民への歯科医療に関する情報提供や男の介護教室などを開催し、地域住民同士のコミュニケーションの場を定期的に提供したとのこと。一方で、歯科に限らず医療分野において収益を増やすためには、病気や患者数の増加が不可欠という構造に根本的な違和感があり、医療を中心に地域への関わりや社会課題の解決に限界を感じていたといいます。そのような閉塞感の中で自身をスポーツやレジャーなど思考を開放する環境に身を置くことで、地域貢献には医療という専門性にこだわる必要はなく、スポーツ等を通じて地域の人々がつながることで新たな創造があることに気付けたといいます。
スポーツに対する価値や関わり合いは世代や性別など人によって様々であり、スポーツなどの交流の場が人々をつないでいく力になればよく、地域への新たな価値創造の場の提供を目指したい、スポーツには人をつなぐ力があると講師は説かれました。
2021年にAIカメラレンタルサービス事業である(株)Cloud9を設立。AIカメラは、試合映像を自動で撮影し、編集、ハイライト作成まで行うもので、チームプレーのための分析エディタも提供される。同社はサッカーなどのスポーツ交流を通じ、一人ひとりが成長する体験や機会作りをスポンサードまたは、やパートナー契約により展開している。そのつながりで多摩市内小学校校舎の老朽化更新後の新たな活用について、多方面からの相談を受け、コミュニティパークの構想を練ったという。コミュニティパークの機能・要素には、スポーツだけではなく、多世代交流、福祉サービス拠点等が盛り込まれている。これらすべては、地域に新たな価値や交流が生まれる為の拠点づくりであり、その拠点を地域住民が利用することによって、コミュニティパークに関わる全ての人に喜んでもらう為だという。
コミュニティパーク構想は着手したところであり、今後は、様々な人が参画して拠点づくりを進めていくので、興味のある学生はぜひ一緒にチャレンジしていきましょう!と説明された。
本講義は、「事業構想事例②」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:273名)の授業において行われ、事業構想とは何かのヒントを得ることを目的に各分野の事業家を招いて開講されています。
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