9月30日、10月1日、「多摩学」*の授業にゲスト講師として公益財団法人東京観光財団地域振興部 次長 西野 孝徳氏、主査 安田 正俊氏を迎え、多摩地域の観光業をテーマに、学生向け「スタディツアー」課題の基礎理解とアイデア創出に資する情報共有についてご講演をいただきました。
講演では、まず公益財団法人東京観光財団を中心に、東京の観光に関わる行政・団体についての説明をいただきました。公益財団法人東京観光財団は、都内唯一の広域観光団体で東京都、東京商工会議所や民間企業等連携し、東京都の観光政策を補完し、計画に基づく施策を実行する「非営利・公共性」重視の組織です。さらなる観光振興を図るため、様々な事業を推進しています。
また、「出向」について、出向制度の実態(旅行会社・航空会社・鉄道会社等から財団へ人材が出向)、給与は元企業負担、受け入れ側(財団)は支払わないケースがあることや、行政(神奈川県庁→東京都観光部)間出向の事例と残業代の扱い等、受け入れ先での業務遂行(民間→財団、行政間などの事例)についての説明もなされました。
次に持続可能性、消費額拡大、地方誘客の3つのキーワードでの国・都の計画と目標進捗や、訪日旅行者数における旅行者の東京訪問比率、SNS起点のピンポイント訪問の増加、地方体験志向の強まり等といった市場動向の説明から、東京の魅力の再定義として「東京Tokyo」コンセプト:伝統(Old Tokyo)と革新(New Tokyo)の融合、と渋谷スクランブル交差点等を象徴的アイコンとして活用するプロモーションをCM動画も交えながらの紹介をいただきました。
その後、多摩地域の現状と可能性について、訪問率約9.1%(約220万人)と潜在余地が大きく残されていること、都心から約1~2時間という交通利便性、都市性と豊かな自然が共存している現状や穴場やその地域ならではの体験、個人の趣味嗜好に寄せた体験組成といった体験価値のキーワードや、「奥多摩・御前のご当地料理」、「武蔵御嶽神社の宿坊体験」、「立川でのアニメイベント」、「ゴールデン街」等の事例紹介をいただきました。
また、多摩市以外にも神奈川県の観光施設について、三大観光地(横浜・鎌倉・箱根)以外の「第4の国際観光都市」創出(城ヶ島・大山・大磯など)や海外に向けた訴求では「Tokyo」という検索行動に合わせた導線設計(神奈川サイトでも東京をフックに)を行っている等の事例紹介もいただきました。
今後は今回のご講演や、今後の多摩圏の事例紹介等を基に、学生が多摩圏スタディツアー設計を行い、1月7日㈬の多摩学にて、学生の発表に対し安田氏、西野氏両名の講評をいただく予定です。
*多摩学:「多摩学」は多摩圏(多摩・神奈川)の来歴を探り、多摩の現状について考察し、未来を構想する学問であり、多摩圏の歴史・産業・文化・交通・社会(コミュニティ)・行財政に関する基本的な知識を習得することを目的とする。いて考察し、未来を構想する学問であり、多摩圏の歴史・産業・文化・交通・社会(コミュニティ)・行財政に関する基本的な知識を習得することを目的とする。
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