-事業構想論- グローカルビジネスの事業構想 株式会社IRORI
2026年5月21日(木)、「事業構想論*1」(担当教員:松本祐一教授)の授業に、株式会社IRORI 代表取締役 岩元龍生氏を迎え、「グローカルビジネスと事業構想」をテーマに講義が行われました。
海外経験から見えた“日本のポテンシャル”
多摩大学の卒業生である岩元氏は、在学中の海外経験を通じてアジアへの関心を深めました。卒業後は日本の食品会社で社会人としての基盤を築いたのち、念願のタイへ渡航。バンコクの日系食品商社や冷凍冷蔵物流会社での勤務に加え、現地で輸出入事業の立ち上げやバンドデビューも果たすなど、多様でユニークな経験を重ねました。
現在は株式会社IRORIを中心に、地域資源とインバウンドをつなぐグローカルビジネスを展開。海外で培った視点から、地域に眠る“隠れた魅力”を発掘し、海外へ発信する取り組みを進めています。
日本の資源で世界をワクワクさせる
同社では、ツーリズム事業とフード事業の二本柱で事業を展開しています。
ツーリズム事業では、タイやサウジアラビアの旅行会社を中心に国内の手配業務全般を行い、都内の相撲部屋や千葉県富津市の漁業組合などと連携し、全国の地域に根ざしたプランのアドバイス等も行っています。
一方、フード事業は、ツーリズムの現場で寄せられるハラル・ビーガン対応などの食の選択肢の不足という課題に応える形でスタート。地域資源や規格外素材の活用にも取り組み、食品ロス削減にもつながる仕組みづくりを進めています。
海外での生活を通じて日本の価値を再認識したことが原点となったこれらの事業は、「現場の課題から逆算する」という姿勢で構築してきたと岩元氏は語ります。ランドオペレーターとして海外の旅行会社が顧客対応に集中できる環境を整えるため、きめ細やかな手配とサポートを大切にしていると述べました。
選んだ道を“正解”にする
「真の社会貢献とは黒字を出し、法人税を納めることである」という明快な経営哲学を持つ岩元氏。自分の人生を自分で操るためには、具体的な目的地(目標)が必要だと強調します。
目標を掲げ、自らが選んだ環境で努力を積み重ねることの重要性を学生に伝え、「回り道はあっても一足飛びはない。だからこそ毎日の積み重ねが大切」とメッセージを送りました。また、学生時代から続けている「心に響いたことをメモする習慣」についても触れ、見返すことで刺激が得られ、成長の指標にもなると紹介しました。
地域産業の未来を見据えて
講義の終盤では、学生からの質問を受けて、オーバーツーリズム、気候変動、人口減少など地域産業が直面する課題にも話題が及びました。岩元氏は「農業や漁業などの食品事業や物流事業等はなくならない。変化を見据え、どう切り開くかが重要」と述べ、未来を見通す視点の必要性を強調しました。
講演を終え、「母校で登壇し、また一つ夢が叶った」と語る岩元氏。その“課題を魅力に変える力”は、地域と世界をつなぐ新たな可能性を示してくれました。
株式会社IRORIの公式サイトはこちら
*1:多摩大学では事業構想を「世の中の不条理を解消しようとする問題解決行動」と定義し、アイディアが事業構想へ発展するまでのプロセスを重視しています。本授業では、事業構想を理解するための3つのアプローチとして「言葉の意味から考える」「既存理論から考える」「事例から考える」を提示し、春学期は“事例”に焦点を当て、実践者の視点から事業構想の本質を学びます。
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