6月16日(木)、「経営情報論Ⅰ」(担当教員:新西誠人専任講師、履修人数203名)の授業にゲスト講師としてリコージャパン株式会社(本社:東京都港区)の米村大介様をお招きし、「データサイエンスとビジネス」のテーマでご講演いただきました。
米村様は文学部で心理学を専攻された後、医薬品開発業務受託機関 (CRO:Contract Research Organization)でデータマネジメント、統計解析などに従事された後、マーケティングデータの統計解析を10年以上経験。2015年に株式会社リコーに移られてからはICT研究所、AI応用研究センター、リコー経済社会研究所を経て、2021年からリコージャパン人事部で人事データの利活用に携わっておられ、一貫してデータサイエンスの分野に関わってこられました。
創薬、治験に関するデータ活用について、厳格な管理のもとで実施されるものであり、全ての作業がプログラム化され、コピー&ペーストなどに伴うエラーが一切入る余地が無いものであるとされました。一方、マーケティングデータ活用については、大量生産、大量販売の時代にマッチし、比較的大雑把で「半分が科学で半分が芸術」であり、可能な限り簡単で単純(KISS:Keep It Short & Simple)である必要があるとされました。
現在従事されている人事データ活用については、従業員が何を欲しがっていて、また何が不満なのかをデータから読み解くことを目指し、人事もマーケティングと全く同じであるとされました。しかし人事で難しいのは異動希望や、上司の好き嫌いなど本音を調査書等に記載するかという問題があり、データの偏りを如何に減らすかが課題であるとされました。
なぜデータサイエンティストが嘱望されるかについて、3つの要素を挙げ、(1)経営企画視点での経営判断の自動化トレンド、(2)人事視点での労働人口の減少からのニーズ、(3)タイミング・研究職視点でのかつてのSFから現実へのシーズが揃ってきたことを挙げられました。またデータサイエンティストの必要条件として文章力、会話力、観察力、リアルな仕事を理解し想像する力などの文系的要素を含む「文理混在」とされました。
最後に、学生たちに伝えたい言葉として「自調自考」を挙げ、「習うより慣れろ」、「論よりRUN」、「学術より職人的」、「用意された課題はキレイで、役に立たないことを教えてくれない」等、これから社会に出ていく上でのヒントをいただきました。
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