10月18日、「NPO・NGO論」(担当教員:松本祐一教授、受講人数189名)の授業にゲスト講師として「あだち子ども食堂たべるば」代表の川野礼様をお招きし、NPOの実際についてオンラインで繋ぎお話をうかがいました。
川野様は多摩大学グローバルスタディーズ学部の一期生であり、寺島学長が主宰するインターゼミにおいて松本教授からも指導を受ける機会があったとのことです。大学ご卒業後は国際物流の企業でキャリアをスタートしましたが、人事部門で採用を担当するうちにコミュニケーションに難がある学生が意外に多いことに気付き、早い段階での訓練が大切との思いから児童教育分野への貢献を決意し、児童教育に関するNPOに転職したとのことです。そこで子どもへの食事支援や学習支援のノウハウを学び、連携する形で自ら代表となり「あだち子ども食堂たべるば」を立ち上げたとのことです。
地域の子どもたちのコショク(孤食:一人きりの食事、固食:同じ食物の食事)を減らすことで、栄養に配慮するとともに、会食を通じコミュニケーションを豊かにすることを理念とし「大規模子ども食堂」、「小規模子ども食堂」、「お弁当プロジェクト」の3つの事業を柱として取り組んでいるとのことです。活動には中高生、大学生、サラリーマン、主婦、社会人など十代から七十代まで20名以上のボランティアスタッフが関わっており、その動機は児童福祉に携わりたい、栄養士を志望している、子育てが一段落し社会貢献したい、仕事以外の活躍の場が欲しいなど、多岐に渡っているとのことです。また、行政や企業では活動に制約が多い中、現在の体制は自分がやりたいようにでき、機動力が高い点にやりがいを感じており、実際に行政からも必要とされている実感があるとのことでした。具体的にはお弁当の配達では、行政の個別訪問に比べ比較的容易に安否確認ができた事例もあるとのことです。
学生からは、NPOの立ち上げ運営まで自分自身でやろうと思ったモチベーションは? 献立のレパートリーはどのようにして決めるのか? 助けを求めている子どもたちとの出会いの方法は? 今後どのような活動をどのような組織で行っていくことを考えているか? など様々な質問が寄せられ、活発な議論が行われました。
「あだち子ども食堂たべるば」についてはこちら
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民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
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政府や自治体
との連携自治体
との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
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大学や研究機関
との連携教育・
研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
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地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます