6月9日(木)、「国際関係論」(担当教員:小林昭菜准教授、履修人数:64名)の授業にゲスト講師として一般社団法人ガバナンスアーキテクト機構(所在地:東京都千代田区)の新井春美様をお招きし、ご登壇いただきました。
ご講演のテーマは「EUの成立と拡大 -トルコはEUに加盟するのか-」であり、日本では少し馴染みの薄いトルコという国に焦点を当てたものでした。まずヨーロッパには古典文化、キリスト教、ゲルマン民族という共通の母体があり、その上にそれぞれの特徴を持つ国が存立していること、過去からヨーロッパ統合の思想がありその目的は争いを避け、民主化、自由化、経済的メリット等を享受することにあること、EU加盟には政治的、経済的、法的基準が設定されておりハードルが高いことが示されました。
次に、かつてのオスマン帝国という大国から1923年にトルコ共和国が建国され、近代化に向けて推し進められた諸々の改革について概説されました。そして50年も前からトルコは統合されたヨーロッパの一員となることを目指しながらも未だに達成されていない現実から、トルコのEU加盟について何が足かせとなっているのか、EUの公式見解と共にトルコが内包する現実とEU諸国の思惑について言及されました。
トルコは2023年に建国100周年を迎えることになりますが、この記念すべき年に長年の国家目標であるEU加盟を果たせるのか、現AKP(公正発展党)政権の動向なども合わせ、EUとトルコの動きは注目に値すると締めくくられました。
Q&Aでは、トルコのEU加盟は叶うと思うかとの問いに対し、学生なりに考えた意見が交換されました。また、学生からは、トルコとギリシャの関係はどうなのか、なぜ日本と遠く離れたトルコが親日国家なのかなど質問が寄せられ、活発な議論が行われました。
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