7月5日「国際関係論」(担当教員:小林昭菜准教授)の授業に、ゲスト講師としてウクライナ日本センター職員の中村仁氏をお迎えしました。いまも戦地となっているキーウからオンラインにて、「ウクライナ日本センター職員中村仁氏が語る戦地の実情」というテーマでお話いただきました。
中村氏は、1995年にパワーリフティング選手としてロシアを初来訪されました。ロシアの選手や大会役員との交流をきっかけにロシア語を学び始め、2002年からウクライナの大学の予科でロシア語や文化を1年学び、ウクライナの土地柄に惹かれ、大学卒業後はウクライナ日本センターに就職しました。現在、ウクライナ在住歴22年とのことです。ウクライナ日本センターは、KPI(キエフ工科大学)に所属する国際交流基金(The Japan Foundation)によって運営された組織で、主に日本語教育や文化交流事業を屋台骨に活動しています。中村氏は、ロシアによるウクライナ侵攻後もウクライナに留まり、ウクライナと日本の橋渡しをする活動を続けておられる貴重な日本人の一人です。
中村氏からは現地の生活が大きく変わったときのお話を聞くことができました。2022年10月頃、ロシア軍の攻撃で原子力発電所が占拠され、断水、停電が頻繁に発生した時の話を聞いたときは、教室内が一瞬ピーンと張りつめました。この時期は、キーウにも影響が大きく出たため、生活する上での工夫や苦労を強いられたそうです。ちょうど冬に差し掛かる時期で、日本からウクライナ市民や病院宛にカイロ、保温作用のある服、またリフレクションテープなどが寄贈されました。しかし、多くの市民はそれらを受け取るのを我慢し、戦地で戦う兵士にと譲ったそうです。現地の緊迫・切迫する状況がうかがえます。
ロシアの軍事侵攻直後は日本センターの活動は停止を余儀なくされましたが、2022年4月以降から徐々に活動は再開されていきました。現在は、日本の文化に興味を持つウクライナの人々に、生け花や茶道に触れてもらう機会を設けているそうです。参加者からは厳しい日常を忘れることができているという声が寄せられているそうで、日本文化体験イベントの開催時には、多くの参加者にひと時の癒しと憩いの場を提供できているとのことでした。
質疑応答では、侵攻後に感じたこと、現在の食生活、身体のこと、現地の学校の運営や教育の状況、ウクライナ日本センターでの活動内容、ウクライナで人気のある日本文化について等、幅広い質問が学生たちから寄せられました。「報道で情報を得ているが、日本にいる私たちにできることはないか」という質問に対して中村氏は、報道にはレポートした人の主観が入り、番組の尺や新聞や雑誌の枠により、伝えきれないことが出てくるため、幅広い媒体から背景を見て判断するようにしてほしい、ウクライナにいつも関心を持ってほしい、と締めくくられました。私たちも引き続きこの出来事に注視していきたいと思います。貴重なご講演、ありがとうございました。
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民間企業との連携企業
との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
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政府や自治体
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との連携政策目的の達成を使命とし、地域産業等の現場ニーズに即した技術開発・技術指導に加え、研究開発基盤形成や制度改善にも重要な役割を担っています
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研究機関
との連携教育と学術研究に加え社会貢献をも使命とし、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継承等の役割を担っています
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地域住民やNPO
などとの連携NPO、
地域団体
などとの連携地域住民、地域団体、NPOなど多様な主体を含む概念で、その地域毎に様々な状況・課題があり、各地域の実情にあわせた取り組みが求められます