10月12日、「実践的ビジネスエンジニアリングコース専門科目Ⅱ」(担当教員:小林英夫教授・長島剛教授、履修人数:11名)の授業にゲスト講師として京西テクノス株式会社(本社:東京都多摩市)代表取締役社長 臼井努様をお招きし、「組織戦略」をテーマにご講演いただきました。
臼井様は大手電機メーカー勤務を経て、医療・計測装置等のメンテナンスサービス会社である京西テクノス株式会社をゼロから立ち上げました。製造メーカー問わず、装置の修理や再設計を行うトータルマルチベンダーサービスのビジネスモデルで、装置を長く使い続け廃棄物を減らすことで地球環境保全にも貢献できるとのことです。また、ハブ空港に直結した保税工場を持ちグローバルサービスにも重点を置いているとのことでした。国内には競合する企業は無く、売上高100億円超のグローバルニッチトップ企業100選に選定されたとのことです。
講義では最初に、大企業と中小企業の社員ひとりが担当する仕事や責任範囲、報酬等を比較し、企業人として本当にやりたいことができる規模は所謂中小企業ではないかとされました。また昨今、総合電機メーカーの専門メーカー指向が顕著で、中小企業がM&Aにより大企業の特定分野の部門を併合し仕事の幅、ボリューム確保、優秀な人財確保を実現する例が見られるとされました。京西テクノスにおいても日本電気、富士通の機器校正ビジネス部門を融合し、コアのビジネスとして強化できたとのことです。一方で、移籍者のモチベーション維持・向上、年功序列体制から能力重視への転換、これまでの別会社同士の風土の調和など、意識改革にご苦労をされたそうです。最後に、年間4回実施している全社員参加による全体ミーティングについてご紹介いただきました。会社の方向性や、新たなビジネスについて臼井社長自ら説明する場を設けるとともに、時節に応じて、餅つき会、肉祭り、著名人による講演会等を同時開催することで、社員同士のコミュニケーションの活性化、人と人の繋がりの機会を創り出すなど工夫されているとのことでした。遠隔地に勤務する社員同士が顔と顔を突き合わせてお互いに知り合うことで、アナログ的な手法ではあるが、これ無しでは組織マネジメントは前に進まないとのことでした。
質疑応答では、「オンリーワンを目指すビジネスのリスクは何でしょうか?」、「トータルマルチベンダーサービスの弱点はあるのでしょうか?」、「M&Aで特に苦労されたことは何でしょうか?」など多くの質問が寄せられ、活発な議論が行われました。
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