6月9日、「経営組織」(担当教員:小林英夫教授、履修人数:157名)の授業にゲスト講師として株式会社IHI(本社:東京都江東区、以下IHI)人事部人財開発グループの岡田浩治様、横井美里様をお招きしご登壇いただきました。岡田様は銀行、メーカー系シンクタンク、半導体製造装置メーカーを経て、現職のIHI人事部門で人財開発関連業務に従事されていらっしゃいます。横井様はIHIの関連会社にご入社後、社内転職制度を利用され現職の人事部門に移り、新入社員育成、新入社員研修等をご担当されています。
IHIは江戸末期の造船所創業に起源を持ち、長きに渡り石川島播磨重工業(株)として知られていましたが、2007年に社名を変更し現在に至るとのことです。主な製品として、橋、クレーン、飛行機エンジン、ロケット、シールド堀進機、自動倉庫、ターボチャージャー等があり、従業員はIHIグループ全体で3万人弱とのことです。
ご講演では、人事制度、人事マネジメントとは何か、について高度成長期と現在およびこれからを対比し概説された後、人事評価や採用などに不可欠となる人事測定についてご説明いただきました。特に人事評価では、能力または行動を評価する「コンピテンシー」について、成果に直結する行動・思考特性であり、何がその人を“できる人”にしているのかを明らかにするものであるとし、自らなりたい姿を描き、不足しているコンピテンシーを明確化するとともに、自分で学び自分で取りに行くべきものであるとされました。
続いて、新卒採用環境が大きく変化しているとされ、これまでの職能を中心とした総合的な人物評価からコンピテンシーを中心とした職務成果に直結する行動に評価軸が移行しているとされました。そのような環境変化の中で、多摩大学の学生のコンピテンシーテスト(本学では「Progテスト」として1年時、3年時実施)の結果を引用され、全国平均と比較して上回る点と啓発点をお示しいただき、どのような特性が読み取れるかを解説していただきました。そして各自の結果をよく理解、分析し、就活の場で企業担当者に自らの強みとして自分の言葉で訴えかけられるよう、向き合って欲しいとアドバイスをいただきました。
最後に、新卒の就活は基本的にどの企業でも受けられるので、言わば一生に一回のプラチナチケットであるとされ、これを無駄にせず大事に使って欲しいとエールをいただきました。
質疑応答では学生から、「コロナ禍の中で学生時代を過ごした人たちのコンピテンシーへの影響はありましたか?」、「企業が期待する一人前になるまでの期間が短縮しているのは、企業活動のスピードが上がっているからでしょうか?」などの質問があり、活発な議論がありました。
株式会社IHI : https://www.ihi.co.jp/
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との連携民間企業やNPO等広い意味でのビジネスないしプライベートセクターを指し、経済活動に直接結びついていくという意味で重要な役割を担っています
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政府や自治体
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地域団体
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