11月2日、「多摩学Ⅱ」(担当教員:長島剛教授、野坂美穂准教授)の授業にゲスト講師として有限会社ボヌール・ナナ (本社:東京都立川市)代表取締役で、洋菓子のプルミエールを経営される遠山大樹様をお招きし、経営とDXについてご講演いただきました。同社は多摩ブルー・グリーン倶楽部(多摩信用金庫が主催し多摩地域の優良企業を表彰する、多摩ブルー・グリーン賞受賞企業)の会員企業となっています。
遠山様は、新卒で楽天株式会社に入社され楽天市場のECコンサルタントとして売上アップ支援に携わった後、30年続く家業である街のお菓子屋さんの経営をお父様から継承。V字回復により3年間で10倍の成長を成し遂げました。なすべきことを考える上で「課題=理想-現実」という等式で、理想とする状態と現在の立ち位置を理解すれば、おのずと何をすればよいかが分かるとされ、正解が無い問題も多い中、インターネットの活用を大前提とした上で、課題をどこまで発展させられるかがポイントであるとされました。また、経営とは「会社を潰さないこと≒会社を“継続して成長”させること」であり、これこそが経営者の仕事とされました。成長のためにDXすなわちインターネットでの販売を進め、デジタル時代のスピードについていける文化を会社に根付かせるとともに、個人店のクオリティをそのままに、インターネットにより流通力を高め、これまでに誰も獲得できていなかったポジションを目指したとのことです。
商品開発においては、マーケットから逆算する考え方で、インターネット購買者のニーズに焦点を当て、さらに価格競争に入らないギフト需要をターゲットに設定、戦う相手、価格帯、差別化要因を詳細に検討した上で、自社の強みを「人の手の温かさ」として「お客様のありがとうを後押しする」商品というコンセプトを打ち出し、ブリキ缶に包装された単価千円台のプチギフト用クッキー「メルシーサブレ」に行きついたとのことです(この商品は受講者全員にプレゼントいただきました)。さらにギフト需要では通販のレビューを参考にする人が多いため、検索順位で上位に現れる工夫なども行ったとのことです。
最後に、「業績はインターネットを駆使し3年で10倍に伸びました。そして、会社を構成するメンバー全員がこの流れについてこれるように企業文化として根付かせることこそがDXなのです。」と締めくくられました。
学生からは、「お子様に後を継がせるお考えはありますか?」、「ビジネス上の信頼関係を良好に保つため意識してやっていることはありますか?」、「経営学は大学で学んだのですか?」など質問があり、活発な質疑応答が行われました。
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