7月6日、「事業構想論」(担当教員:松本祐一教授、履修人数:309名)の授業にゲスト講師としてエム・ケー株式会社(東京都日野市、以下エム・ケー)専務取締役 小林久恵様をお招きし、「創造型問題解決のビジネスモデル」をテーマにご講演いただきました。同社は多摩ブルー・グリーン倶楽部(多摩信用金庫が主催し多摩地域の優良企業を表彰する、多摩ブルー・グリーン賞受賞企業)の会員企業となっています。
エム・ケーは日野駅前に本社を構える創業36年、社員数48名の不動産業の会社ですが、非上場でありながら帝国データバンクの全国事業者上位0.09%に位置付けられ、貸事務所業で第6位と、小さな大企業と言われているそうです。1980~1990年代の創業期は多摩地域企業の社宅等を手掛け、2000年代の自立期には圏央道開通に伴う物流拠点とそれに伴うまちづくり、2010年代以降の成長期には郊外の土地を時間をかけて開発することで、売上高を伸ばしてきたとのことです。続いて千葉県の東京ドーム6個分に相当する市街化調整区域の開発を例に、まちづくりプラン策定、行政との協議、地権者との合意形成、進出企業の決定、企業立地までの一連のまちづくりの流れについてご紹介いただきました。地権者や進出企業から、エム・ケーは約束を守り近くにいてくれるから安心、何年かけても話し合ってくれる、だから信用して任せられると信頼を獲得しているとのことです。また、多摩エリアを中心に保育園や介護施設を多数開設しており、年間1200人の待機児童削減、800人の高齢者介護に貢献しているとのことです。
続いてエム・ケーの強みとして、安定収入のポートフォリオについてご説明いただきました。ヘッドリース事業で安定した収入がありこの土台があるからこそ、収益率は高いがリスクもある大規模開発事業に挑戦できるとのことです。さらに無駄なことはしないとの経営方針で、朝会で全員に情報共有、チームで仕事に取組み、一日一日を大事にする等、小さな積み重ねが大きな仕事につながるとされ、「ともにまちづくりを」の理念のもと、人間力の塊によるヒューマン経営で農耕型経営を推し進め、100年企業を目指すとされました。
最後に、本学事業構想学科を2023年3月に卒業し、4月からエム・ケーに入社した梶本凌平様より「就活の中で事業構想とは何かという質問を何回か受けましたが、ぼんやりした回答をしていました。しかし入社して仕事と向き合ってみると、あの時授業でやったあれだ!と気付くことがたくさんありました。何事も身近な存在だと常に意識し行動することで、成長度が異なってくることを実感しています。」と経験談をお話いただきました。
質疑応答では、「市街化調整区域の開発は具体的にどのように行うのですか?」、「まちづくりにおいてハード面とソフト面のバランスはどのようにするのですか?」等の質問があり、活発な議論、意見交換が行われました。
エム・ケー株式会社 : https://mk-corp.co.jp
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