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東京ゲームショウで活躍する多摩大学卒業生、Cocoro Software株式会社の新作ゲーム「Spell Fragments」を展示

レポート:専任講師 新西誠人

9月28日、東京ゲームショウ2024に、多摩大学の卒業生が新作ゲームソフト「Spell Fragments」を出展しているという情報を耳にし、幕張メッセを訪れました。

東京ゲームショウ2024は、世界中からゲームファンが集まる大規模イベントで2024年9月26日から29日で開催されました。同イベントを共催する日経BPによると、今年のビジネス向け2日間と一般向け2日間の計4日間で、27万人を超える来場者だったということです。会場は、ゲーム愛好者やコスプレイヤーたちで大賑わい。インディーゲームコーナーに足を運んだところ、「Spell Fragments」を展示するCocoro Software株式会社のブースにたどり着きました。すでに20人ほどの列ができており、その注目度の高さが伺えます。

Cocoro Software株式会社を創業したのは、多摩大学を2013年に卒業した西井裕介さんです。彼は学生時代、経営情報学部の出原ゼミに所属していました。出原ゼミではTwitterのアプリ開発やゲーム内経済の研究などを行っていたそうです。

展示されていたゲームは、5×5のマス上で3種類の呪文の欠片を配置して繋ぐことでオリジナルの魔法を生成し、ダンジョンを攻略していくもの。魔法生成には、運だけでなく、論理的な能力が試されそうです。そのため、プレイヤーたちは、より強力な魔法を作り出すため、徹夜で組み合わせを考え込むことになるかもしれません。協力プレイもできるようになるそうなので、仲間で集まって、眠れない夜が増えそうです。

このゲームの肝は自由に魔法を作れるところ。どのように発想したのでしょうか。「これは、TRPG(テーブルトークRPG)で自然言語を使って魔法の条件を発動する仕組みを、ゲーム内で再現しようと思ったからです」と西井さんは語ります。今まで、見られないシステムに注目が集まります。そのためか、ブースでは、多くの人々が体験版をプレイするために列をなしていました。西井さんは「X(旧Twitter)での発信やTGS招待チケットプレゼントキャンペーンやメディアへのリリース以外はしていない」と語りますが、口コミで徐々に広がりを見せているようです。並んでいる人々は、他のプレイヤーの様子を興味深そうに見守っていました。手応えを感じた西井さんは、今後クラウドファンディングを通じて資金を募り、より多くの人にいち早くプレイしてもらいたいと考えているそうです。

西井さんは、どのような経緯で、ゲーム会社を起業するようになったのでしょうか。多摩大学経営情報学部を卒業後、システム会社でシステムエンジニアやマネージメントの業務に従事していましたが、2023年3月から今回発表したゲームを趣味で制作し始めたそうです。12月にはゲームの原型が完成し、2024年3月にCocoro Software株式会社を設立して現在は専業で開発しています。イラスト、3Dモデル、音楽などの一部は外部に依頼しているものの、開発自体は基本的に一人で行っているとのこと。「もともとシステム開発の経験があるので、ゲーム特有の技術を除いては、ロジカルな設計や実装で困ることは特にありません」と語ります。

資金面では、日本政策金融公庫や信用金庫、日本ゲーム文化振興財団からの支援に加え、会社員時代に貯めた貯金を活用し、開発に全力を注いでいます。開発環境にはUnityを使用し、C#をVS Codeで書いています。ソースコードの管理にはGitHubを利用しており、「ソースコードがなくなると困るので、管理には細心の注意を払っています」と笑いながら教えてくれました。

西井さんは、多摩大学に入学した当初、将来ゲーム会社を経営するとは思っていなかったそうです。しかし、大学で学んだ開発技術や経営の知識が、今の活動に大いに役立っていると語ります。 「Spell Fragments」をプレイできるようになる日が楽しみです。

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Cocoro Software株式会社代表取締役社長西井裕介さん

会場の様子

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