1月27日、ユニコムプラザさがみはら(相模原市立 市民・大学交流センター:ボーノ相模大野サウスモール3階)で開催されたオーサーズカフェに経営情報学部の松本祐一教授が登壇し「大学と地域はどうつながれるか?~教職員と学生の今~」のテーマで講演しました。松本教授の専門分野はソーシャルマーケティングで、多摩大学総合研究所所長、多摩大学産官学民連携センター長に加え(特活)NPOサポートセンター理事、(株)生活戦略研究所代表取締役も務めています。当日は21名の一般市民の聴講者がありました。
最初に大学の「今」について概観しました。聴講者の世代が経験した学生時代は学力試験を中心とした入学選抜、教員からの一方通行の講義、有り余る時間の中で友と語らいサークル活動に精を出すといったイメージですが、今は様変わりしているとのことです。現役生志願率62.5%、6割が学力テストを受けない入試(東京近郊私立文系)、12月までに翌年入学者の入試がほぼ終了等の事例が紹介されました。教育の中身については政策的要請もあり、「主体的な学習」、「思考力・表現力」、「社会(地域)・協働」など、より「実践的」な内容に見直されて来たとのことです。さらに就職活動については3年生の6月から申し込みが始まるインターンシップが実質上の就活スタートとなり、「ガクチカ」を充実させるために1~2年生の過ごし方が課題になってきたとされました。一方、学生も多様化が進み、「生まれながらの『消費者』」、「モチベ・タイパ・コスパ」、「忙しい」、「経験の『格差』」などのキーワードで言い表わせるとされました。
多摩大学では地域連携活動について2009年から組織化。2019年には「窓口」「橋渡し」「情報発信」を主なミッションとする「産官学民連携センター」を発足させました。2023年度には171件の取り組み案件があり、その中から「多摩地域の企業経営者の講演」、「中小企業の工場見学会」、「企業と連携した新規の試みや製品開発」、「VRやメタバース技術を活用した展示や観光資源の発掘」、「行政と連携した広報や啓蒙ポスターの制作、ボランティア活動推進」、「学生派遣による高校の探究授業、小学校のICT授業サポート」などが紹介されました。また、松本ゼミでの奥多摩町と連携した活動についても紹介がありました。
最後に、大学とつながる「コツ」として、「教職員を知る」、「学生を知る」、「大学を知る」の3点をあげ、それらのアプローチ方法について説明がありました。そして、「人口減少など地域によっては縮小を余儀なくされるケースもあります。しかし学生をはじめとし人間は必ず成長します。大学と地域が関係を作って協創し、お互いの成長を目指しましょう」の言葉で講演が締めくくられました。
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