10月19日、「多摩学Ⅱ」(担当教員:長島剛教授、野坂美穂准教授)の授業にゲスト講師として東京システム運輸ホールディングス株式会社 (本社:東京都立川市)代表取締役社長の細川武紀様をお招きし、「多摩圏の物流~多摩圏の企業・行政を理解する~」のテーマでご講演いただきました。同社は多摩ブルー・グリーン倶楽部(多摩信用金庫が主催し多摩地域の優良企業を表彰する、多摩ブルー・グリーン賞受賞企業)の会員企業となっています。
最初に運輸業界の概要をご説明いただき、この業界は必ずしも大企業が優位という訳ではなく、物流提案コンペでは中小規模でも差別化、付加価値の提案が可能であり、実力社会であるところに面白さを感じるとのお話がありました。細川様は一貫して物流業界に身を置き、20代で現場・営業に従事、30代で経理・経営企画を経験、40代で執行役員就任、その後常務、専務を経て代表取締役にご就任されたとのことです。特に経理をご担当された時期に初の赤字決算となり、最も苦しくかつ最も勉強された時期であったと振り返っておられました。加えて、努力した結果が必ず報われる会社であるとのことで、3方良しに替え5方(取引先、従業員、金融機関、政府、株主)良しとされ、会社の社長のありかた、会社と社会の関係のあるべき姿を説かれました。
続いて事業の詳細についてご説明いただきました。年商157.9億円、営業車両220台、管理倉庫65棟(17万9,000坪)の総合物流企業であり、1967年の創立以来の成長の推移を各種業績数値で示されました。この間優良申告法人として税務署より連続9回の表敬受彰、多摩ブルー・グリーン賞では優秀賞・最優秀賞と2回受賞しているとのことです。グループの共有価値として経営理念は『誠実』と『信頼』。企業ドメインを『物流商品製造業』と定め、エリア集中することが自社の強みとし、拠点配置の最適化、立地特性の精査、現場力の向上、取引先との信頼関係構築に努めたそうです。さらに強みとして情報システム部門をあげ、顧客情報を共有することで、アウトソーシング業務の幅を拡大したとのことです。
最後に学生に向けて、1日24時間は誰でも同じ条件であり、時間の使い方や見方を変える努力をすることで今日からでも人生は変えられる。人生は良いこと悪いことのプラスマイナスで全体としてちょっとプラスになる位がちょうど良い。多摩大生の強みとして東京の企業に就職する機会があること、日本には優良な100年企業が世界一存在すること、東京は同時多発的開発が行われる世界唯一の都市であることをあげ、更には松下幸之助氏の言葉を引用し「自分の道は他の人には歩めなく、広い、狭い、登り、下りもあるのだ」とエールをいただきました。学生からは、今後のドローンを使った運輸の将来像や無人化の方向性など質問があり、活発な議論が行われました。
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